2020年1月1日から始まるタイの固定資産税
タイは言わずと知れた超格差社会である。相続税や固定資産税などは無く、大金持ちの家に生まれると死ぬまで安泰であると言うのが通例であった。
(日本の様に相続税率が高く、名家であっても3代で資産がなくなるのとは大違いである。)
また、バンコクポストの記事に寄ると、
https://www.bangkokpost.com/business/1773024/just-500-people-own-36-of-the-equity-in-thai-firms
タイ資本の企業の利益の約36%は、500人に寄ってもたらされ所有しているとされている。その500人が得られている年間の収入は約1億ドル(31億バーツ)で、タイの1世帯あたりの平均収入は1万ドル(31万バーツ)と1000分の1でしかない。
また、タイの上位10%がタイ全土で約61%の土地を所有しており、下位の50%は約2.27%しか所有していない、とされている。
こうした富裕層のみが既得権益として、未来永劫裕福であり続ける事に一石を投じる法律として、相続税と固定資産税が導入される事となった。
2020年1月1日から固定資産税が導入されるに当たって、農地、住宅、商業地(工業地)、未使用地として、各々の税率で導入される事となった。
それにより、日系企業が所有する工場や、工場用地にも新たな税が課せられる事になったので、以下を参考にして欲しい
土地の地目毎に設定されている税率
なお、2020 年及び 2021 年の課税年度に置いては、軽減税率が適用されるので、物件の評価格に基づいて、税率が変わってくる。
如何、工業用地における低減税率の表になっている。
2020 年及び 2021 年における固定資産税の軽減税率
以下は、工場建屋における評価格の例になるので、そのエリアにより税率の違いがある。
それが以下の基準表例となる。
エリア毎に建屋の種別における税率が変わってくるのご注意頂きたい。
建屋における基準表価格
※上記は2019年11月1日の評価格。評価格は変わる事がございますので、税理士、
会計士にご確認下さい。また、タイは政策がよく変更になりますので、
同様に最新の制度状況をご確認下さい。
計算方法
年間の固定資産税
=(所有している土地の評価格×税率)+(各々の建屋×その建屋の税率)=
Land Tax Calculation
= Appraisal value of Treasury Department of (Land + Building ) x Rate as table
計算例1.
チョンブリ県に、15ライの土地を所有、3,000平米の工場、300平米の事務所、
1,000平米の倉庫、400平米の屋根付き駐車場
合計が7,081万バーツとなると評価に対する税率が0.4%であるので、
年額283,240バーツの税額となる。
計算例2.
ラヨーン県に、25ライの土地を所有し、工場はまだ建設をしていない。
合計が7,500万バーツに対して、未使用地の税率が1.2%になるので、年額900,000バーツの税額となる。
そして、これら税額は、2020年3月現在時点では、評価の元になる路線価が決まっておらず、5月末頃に決まる予定である。そして、7月中などに税額の通知が地方の管轄する役場から通知が来て、8月末までに支払うとの段取りとなる予定である。
この固定資産税は国税が徴収する類のものではないので、税務署に確認に行っても地方公共団体に確認してくれ、となるので注意が必要である。
また、評価額は一方的に決められるものなので、税額に関しての議論の余地がないので、通知が来たらその通知額を払うしか無いので、注意が必要となる。(どうしても疑義があるのであれば行政訴訟を起こすしかないのかとは思われる)